ヴィム・ヴェンダースランド・オブ・プレンティ』@シネカノン有楽町
を帰りに観てきた。マイケル・ムーアのような単刀直入な反アメリカものではなく、最終的には死者たち(それがアメリカ人であれアラブ人であれ)の「声なき声」を聴きましょうという慎重かつ常識的なメッセージに落ちつく映画。したがって、どちらの側に加担するというのでもなく、みえない「脅威」にさらされつづけるアメリカの不安をえがきつつ、それと表裏一体のアメリカ中心主義を徹底的にカリカチュアしてもいる。が、個人的には後者の側面がきにいり、とくに、ベトナム戦争の退役軍人ポールおじさんが「敵」の「アジト」に決死の覚悟で潜入したら、そこは「アジト」でもなんでもなく白人の老婆の家であった、ということが判明し、ガスマスク、銃といった防護用品がことごとくその有用性を剥奪されてこっけいな軍人コスプレにしかみえなくなる、という場面など、最高に笑えた。そこで終わっていたら、反ヴェンダースキャンペーンが全米各地で起きたかもしれない。
主演のMichelle Williamsデスチャのメンバーではない)は、ずいぶん印象がちがった。金髪を黒髪にしてだいぶやせたからであろう。
あと、BGMよし。とくにTravisのが。鑑賞後サントラを買おうかとおもったが、それだといかにもなのでぐっとこらえ、今度どこかで買おうと決意。

今日の一曲:Beezewax, Head Turned Wrong in Oh Tahoe
冬は北欧、ということになるのであろうか。
Oh Tahoe