ルネ・クレモン『禁じられた遊び
昨日購入した水野晴郎選の低価格名作シリーズより。スペイン民謡「愛のロマンス」のなんともさびしいBGMもさることながら、子役ふたりの演技も抜群によかった。
原題はJeux interditsと複数形。もちろん「禁じられた遊び」筆頭は十字架の窃盗であり、これはおそらく日本人が想像する以上の冒涜に値するのであろう。が、さらに、子どもたちの結婚をはばむほどの隣近所の親同士のみにくい喧嘩という「遊び」も、そしてまだほんの小さい子どもの両親を殺してしまった戦争という「遊び」も、それぞれが「禁じられるべき遊び」たちであり、これらにくらべれば子どもの十字架の窃盗などとるにたらないものである、との声が聞こえてくる。子どもの視点からの戦争批判、人間批判というプロットじたいは凡庸ではあるのだが。また懸念された画質は問題なし。