カミュ不条理な論証」in『シーシュポスの神話
理性によって世界を包摂しようとする「統一への郷愁」と、その理性が不可避的に出会ってしまう、理性の権能を凌駕する非合理的なものとの対峙からたちあらわれる不条理をどう生きぬくか、というそれ自体としては非常に長い歴史を持つ問題についての考察。おおまかに言えば、「神」のような超越的な審級によって不条理を解消してしまうのではなく、不条理を不条理のままに生きぬく生の強度をカミュは求める。ニーチェの焼き直しか。